よくあるストーカーの誤解
ストーカーとは
ストーカーとは、つきまとい、待ち伏せ、面会や交際の要求をしたり、これらの要求が満たされない場合に嫌がらせを行ったりすることです。
一般的には、全く見知らぬ人から急につきまとわれたりするイメージが強いです。しかし、行為者と被害者との関係では、約5割が元を含む交際相手となっています。また、それ以外も知人友人、配偶者(元配偶者も含む)、勤務先同僚・職場関係者と続き、面識なしは5%程度にと留まっています。
ストーカーとDVの関係
DVとストーカーは、一見すると全く性質が異なる事象のように見えます。しかし、どちらも他者を支配しようして暴力的な手段を取るという点で共通しています。ストーカー行為は殴る蹴るといった直接的な暴力ではありませんが、相手に自分の要求を押し付ける、相手を畏怖させて自分の思い通りにしようとする点で、DVと同じく暴力的です。そして、被害者が支配から抜け出そうとしたとき、あるいは被害者を自分の支配下に置こうとするときに、ストーカー行為はなされます。
ストーカー行為は、DVの一形態と言って過言ではありません。
デートDVとストーカー
夫婦関係にはまだ至らない関係形成途上にある段階で、パートナーを支配するために暴力が振るわれることを、普通のDVと区別してデートDVと呼びます。デートDVもまた、パートナーを支配するために暴力が振るわれるという点ではDVと同じなのですが、まだ夫婦関係に至っていない時点で暴力が振るわれるがゆえに、夫婦間でのDVとは少し異なる特徴があります。
大きな特徴は、夫婦間のDVと比較するとデートDVは被害者が支配から離脱しやすいという点です。夫婦間のDVの場合、支配から逃れるためには離婚をしなければなりません。加害者と被害者の間に子どもがいるために、逃げにくいということもあるでしょう。しかし、まだ婚姻関係に至っていないデートDVの場合は、物理的に逃げて後は接触を断ってしまえば、支配を脱することができます。
しかしながら、逆にデートDVはストーカーに発展しやすいという特徴があります。夫婦間のDVの場合、被害者が支配から脱しようとすると、加害者は離婚を拒否して支配を続けようとします。それでも離婚に至ると、逆に加害者にとって一つの区切りとなることが多いです。一方デートDVの場合、なまじ婚姻関係という鎖がない分、加害者はストーカー行為によって繋がりを保とうとします。また、離婚という区切りがないため、いつまでたっても納得がいかずに、ストーカー行為を続けることになります。